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医系論文・面接

テキスト問題の解答例に加えて、その時々の参考資料をアップします。ともにクリティカル・リーディングを推奨します。洞察力を発揮して、見えない何かをつかもうとする学びを「推し」ます😊

参考問題:以下は、いずれも2026年度入試の問題です。そして、ぞれぞれが医師の適性をはかる良問です。

 

参考問題①:順天堂大学医学部2026

「アフガン難民の少女」と題した写真です。パキスタンにあるアフガニスタン難民キャンプで撮影されました。少女のまなざしからどのような思いが読み取れますか。それは、あなた自身とどのような関わりがあるでしょうか。​​

参考問題②:浜松医科大学医学部医学科一般入試(後期日程)2026

 

次の文章を読み,以下の問いに答えなさい。

現代社会では,各個人の価値観や生き方が多様化している。このような社会では,人々を画一的に理解することの限界が指摘されている。個々の違いを尊重することは,人権を守り、公平な社会を実現するうえで不可欠である。しかし一方で、医療・教育・行政・公衆衛生などの領域では限られた資源を有効に活用し、適切な施策やガイドラインを設計するために、人々の特徴をある程度分類し,共通点を把握する作業が必要とされる。分類は個人を単純化する危険を伴うが,適切に活用すれば集団の傾向を理解し、よりよい支援や意思決定を行うための手がかりとなる。

問:あなた自身で日本人を4つのタイフに分類し、その分類がどのような領域で有用となり得るか、またその際に注意すべき点は何かについて、あなたの考えを800字以内で述べなさい。

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テキスト解答例

 

<1>大学ではどのように学習するのか?

 大学ではまず,基礎的な知識をしっかり身につけたい。それは教科書や講義,あるいは実習などで先生や先輩の指導の下で身につけることになる。ここではまだグライダーだが,その中で常に学んだことのー歩先への疑問を持ち,課題としたい。医学は常に未解明な分野を残している。何がどこまで分かっているのか,常にそれを意識しながら「問い」を見つけるのである。しかし,その問いに答えていくためには,すでに解明され,理論として確立されている知識をしっかりと自分のものにしなければならない。それが十分に消化されていなければ,それから先の問いに答えられるはずはないからだ。

 したがって,まずは必須とされる講義や実習に全力で取り組もうと思う。そしてその中で「問い」を蓄積していくのである。そこが飛行機能力育成の出発点だと思う。

 自分に「問い」に向き合う一定の基盤ができたなら,蓄積された「問い」の中で,最も取り組みたい課題を一つ設定し,時間を作って自主的な取り組みを開始する。その「問い」に答えている資料はあるか。なぜそこで研究は行き詰っているのか。とりあえずそこまでは自分で探求してみる。本格的な研究に取り組むのは学部を卒業した後になるだろうが,学部時代から,このように積極的に未知にチャレンジしていく習慣をつけることが,飛行機能力を養うことにつながるはずだ。

 

<7>医学部医学科の求める学生

​問1:旧文部官僚がケンブリッジを訪ね、面接について質問した。入学担当教員は面接では知識を様々な状況で応用できる能力と対応を見ると言った。欲しいのは「グッド・エキセントリシティ=良い奇人」である。教科書を超えた発想と対応ができる若者を求めた。日本でもその後、規定通りの手法は通じなくなり、未来を生む発想力が求められるようになる。不足しているのは変化に対応できる「良い奇人」だということに気付くことになった。

問2:

(A)賛成の立場:研究を目指すなら、常識的で型通りの発想の持ち主では良い研究はできない。これまでの発想では捉えきれない未知の領域を新しい視点から捉え返す必要があるからだ。また臨床であっても、既存の知識、経験では捉えきれない症状の患者に出会った時、診断と治療に様々な異なる視点からの取り組みが必要になるから賛成だ。

(B)反対の立場:研究は別として、臨床では奇抜な発想などいらない。既に蓄積されている確実な知識をもとに、誤りのない診断と治療を行わなければならないからだ。診断が難しいからと言って自分独自の発想で決めつけ、奇抜な治療法を試してみることなど許されない。医師にとって必要な能力は根拠のある推論とEBMなので反対だ。

問3:
(A)の立場:医学・医療では、研究でも臨床でも多面的で斬新な発想は必要である。研究ではこれまでの解釈を覆し、新しい発見や理論を導くために、そのような資質が必要なことは言うまでもない。また、臨床であっても、これまでの常識では判断のつかない患者に出会うことがあるはずだ。たとえば、森永ヒ素ミルク事件では、ヒ素が脳神経に影響しないという理論は臨床の丹念な聞き取りで覆された。水俣病でも、シックハウス症候群でも、理論を超えて患者の病態に寄り添うことで原因解明につながった。これからは、環境や心因など広い視野からの取り組みが必要であり、また単に治療だけを目的にしない患者のQOLへと想像を延ばす必要があるからだ。

(B)の立場:臨床を目指す私自身は、そのような人材は臨床には不向きだと考える。(B)で述べたように、臨床では冒険を犯すべきではないと思うからだ。生身の体を持った患者に行う医療は常にリスクを伴う。投薬も手術も、一つ間違えば患者に大きな被害を与えることになりかねない。もちろんなかなか診断のつかない場合や治療法の見つからない場合もあるだろう。だからと言ってまだ実証もされていない治療を試してみることなど許されない。そうした場合には、動物実験や臨床研究を重ねることで、実証を得て初めて実用化するのだ。患者の健康と命に関わる行為を行う医師には奇抜な発想などではなく、経験を大切にし、慎重の上に慎重を期す性格が必要なのだ。​​

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©Shigeki Okutsu

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